医科大学が現役男子を優遇する理由2つ【医学部不正入試】

医学部受験において、大学側が現役男子を入学させたい理由2つとは…

大学が現役男子を入学させたい理由は? 

医学部不正入試が騒がれていますが、大学側が、医学部に男子を入学させたい訳ってなんでしょうか。

国家試験時までに現役生は伸びる(ことが多い)

医学部は6年間あります。記憶することも多いです。
多浪生や、再受験された方などは、20代後半、30代over。。。
だんだん、記憶力が落ちてくるんですよね。伸び悩むんです。
一方、現役生は国家試験までに、入学時よりも成績を伸ばす(順位を上げる)場合が多いです。
医師国家試験の合格率が高くなれば、その医学部の価値も上がります。
大学側は、6年間教え込んだら医師国家試験に合格しそうな生徒(現役や1浪)を入試でとりたいですよね。

ドロップアウトは現役女子が多い?

これまで見聞きしてきた中で、医学部を中退する人は、私の周りでは現役女子が多いです。医学部入試の時点ではそれなりに勉強ができたので、医学部に入ってしまったけど、それほど医学に興味がなかった(と入学後に気づいた)とか、なんとか。

中退させられる人は男子が多いです。もうこれ以上ダブれないとかで。
男性は、医学部中退すると、何のキャリアもない医学にちょっと詳しいおっさんですから、ギリギリまで医学部にしがみつくのでしょう。
合ってないと分かり、第二の人生を歩む女子が出ると、欠員になりますから、授業料もとりっぱぐれです。
一方、ダブってもしがみついてくれる男子から学費がいっぱいとれそうですね。

独立法人化している大学側からみても、現役男子を優先的に合格させたいでしょうね。

医療現場から見た現役男子を優遇する理由

さて、働く医師の立場からでも、現役男子を優先的に合格させたくなるでしょうか?

現役のほうが医師人生が長い?

一般的に考えて、低年齢で国家試験をパスしたほうが医師として活躍できる期間が長いですよね。
医療現場は人材不足ですから、働くコマは多いに越したことはありません。
ただ、男女問わずフリーター医も増えてますし、医師に定年はないと言われていても、定年くらいの年齢になれば、パート医になる医師も多いので、必ずしも医学部現役合格者の方が医師人生が長いわけではないかもしれません。

妊娠、出産、子育てなどによる休職がない?

妊娠、出産は女性の特権です。どう頑張っても、男性は妊娠しません。
妊娠中は、仕事をセーブしなければならない状態になる可能性もありますし、産後は思うように復帰出来ないこともあるでしょう。
妊娠、出産の適齢期は、医師として伸び盛りの時期でもあります。
この時期にキャリアが途切れる女子よりも、男子の方を多く医師にしたい、と、思う医師がいることを私は否定しません。
しかし、結婚や妊娠、出産をしない女医だっていますし、医師同士夫婦では、男性側が休職して育児をしている夫婦もいます。ご自身の身内の介護のために仕事をセーブしている医師(男性でも)や、ご自身の発病で思うように仕事ができない医師も居ます。
現在において、そこまで差別するメリットは 無いような気もします。

男子のほうが体力がありオーバーワークも耐える?

やっぱり若い男子のほうが体力があるでしょうね(平均的に)
でも、体力があるからってオーバーワークするかどうかは別ですよね。
さっと帰って、ジム行く医師だっているし。
女子だってオーバーワークする人もいるだろうし(私の研修医時代は、ブラック病院で無給でオーバーワークしてた←後に労基から病院に指導入った)

男子はしんどい科でも入局する?

女子は、皮膚科、麻酔科、精神科、耳鼻科、眼科、リハ科…楽そうな科を選んで、外科には入らない。マイナー科は飽和状態だからもういらない。
しんどい科に入る男が欲しいんだよ!!!
という、現場からの生々しい声が聞こえてきそうですが、コレは実際、あるっちゃある。
特に、私学だとその傾向が強い、と思う。オンオフはっきりして、呼び出しも無いような科は女子に人気。
でも、最近は、自分の時間を大切にする男子にもマイナー科は人気。
男女問わず、滅私奉公する医師は全体として減っているのだから、男女比を変えたところで救急医とか消化器外科医とかが爆増するわけないだろう。

まとめ

明らかに合格圏外の現役男子を入学させるメリットはさほど無いと思われる。

しかし、医学部受験では、数点差のエリアで何十人もがひしめき合っている場合があり、そこに、同窓生の子女だとか、性別とか、年齢とか、寄付金の有無(大学の経営に寄与する)などで優劣をつけるのは、私学ならアリなのではないか。
そういった場合は、国からの補助金は辞退したほうが良いのかもしれないが。