1歳半健診の内容って?基準は厳しい?行かなかったらどうなる?

1歳半検診を担当したのでまとめておきます

1歳半検診は何をみるの?

私が健診する際は、一歳半健診では、主に、身体の成長(体重身長)や知的発育具合、身体的発育具合を診ます。

知的発達と巧緻性の発達

保護者と保健師さんが話している間のある程度の時間、待つことが出来るか、指差しやつみきつみなどが出来るかなどで判断されます。
1歳半健診で使用する積み木は2.5㎝角くらい。かなり小さく感じます。
保健師さんは赤いキューブ積み木を使っていました。7,8個積める子も、全く興味なく積む気がない子も居ます。
普段からレゴデュプロなどのブロックで遊んでいる子は積み木を上から押さえつけようとする傾向があり、なんとなく家(や保育所)での遊びも分かります。

 身長体重

身長体重では、体重の増えが少ないだけなら偏食や少食のこともあり、特にこの時期珍しくありません。食べないから色々な種類のおやつを与えているというちょっと変わったお母さんなどは栄養指導の対象とします。
身長は、家族性に身長の伸びが少ない(ずっと-2SDのライン上など)こともありますので、その子のペースで伸びていればゆるく経過観察しますが、伸びがゆるやかになり、どんどん下方に外れていっていると、ホルモンの病気(やごくたまにネグレクト)を疑います。
偏食する子の中に、発達障害(特定の食べ物や食感に対するこだわり)の子が紛れているとの報告もありますが、この時点での断言はしません。

歩行

9割以上の子が歩いている時期なので、歩き方のチェックをします。(手を体の上や横にあげてバランスをとりながら歩いているのか、手を下に下ろしていても歩けるのか…など)
歩けていても、どちらかの足を引きずるように歩いたり、変に力が入っていれば、麻痺を疑うこともありますし、まだ歩行していなくても、未熟児であったり、早期産であれば、1ヶ月後や2ヶ月後に再チェックすることもあります。

目、耳、皮膚

他に、斜視のチェック、耳の聞こえ、皮膚の状態もチェックしてます。
皮膚のチェックは、アレルギー以外に虐待されていないかのチェックも兼ねています。

虫歯がないか、歯科医師さんがチェックします。
無料でフッ素塗布してくれる自治体もあるようです。

他にも色々見られてますが、メインはこんな感じ。

1歳半健診は厳し目って本当?

1歳半健診は10ヶ月健診より厳し目に設定されています。それは、次の検診までの時間が長いから。自治体によっては2歳検診は任意で次は3歳(3歳半)検診だったり、2歳半検診だったり、1年以上発達具合が見れないので、微妙なラインだと引っ掛けられ、次の検診までの間に様子を見せに来るように言われることが多いです。

1歳半検診が厳しいとメリットはあるの?

3歳までは特に脳が発達する時期です。
幼稚園に入ってから先生たちから浮いていると指摘されたり、他の子とトラブルが続いてから療育を受け始めるよりも、早期から療育や指導を受けて、苦手分野を伸ばしてから入園するほうが子供にとっても集団生活が苦しいものになりにくく、また、親もこの特性を考えた園選びが出来るというメリットがあるります。
保育園は選べませんが、こういう特性がある子だと分かって接してもらう(出来ないところは補い、出来るところは伸ばす)方が子供本人(や親)にとってもトラブルが少ないです。
なんか他の子と違うな~と思われつつ同じように保育を受け、出来ない点を指摘され続けるのは、親にとっても辛いですが、子供にとっても、自分を否定されるということで、毎日が苦しいかもしれません。

早期発見ため、1歳半検診でグレーゾーンは引っ掛けておいたほうが子供にとって将来的に良いという判断で厳し目になっている自治体が多いと思います。
しかし、一番厳しくひっかけられるのは3ヶ月(4ヶ月)検診の首すわりですので、1歳半検診が超厳しいと言うのは間違いです。

家では出来るのに… は通用する?!

検診の時間帯は午後。いつものお昼寝の時間だったり、いつもと違う雰囲気でぐずってしまったりすることもあると思います。また、うちの子は人見知りや場所見知りするのでしない!と言いたくなることもあるでしょう。

しかし、例えば指差しでは、 
  1. 椅子に座らなければならない時間だと分かる(状況を察することが出来る)
  2. よく知らない人の話を聞ける(先生っぽいと認識する)
  3. 質問がききとれる(聴力)
  4. 質問の意味がわかる
  5. 質問の答えがわかる
  6. 人差し指だけを伸ばすことができ、他の指は曲げることが出来る
  7. 腕を動かして答えまで手を持っていくことが出来る(粗大運動)
…といった色々なことをみています。
そのため、この流れのどれかが欠ければ、合格することが出来ません。
椅子に座っていられない場合は多動(グレーゾーンも含む)を疑われますし、激しい場所見知りや人見知りでも発達障害が隠れている場合もありますので、家でできていてもその場で出来ないと引っかかることがありますし、1歳半検診の目的はグレーゾーンを引っ掛けて、何度かチェックし、その中で異常が疑われる子供を医療へとつなげることでもありますので、本来は引っ掛けなくてはならないんだと思います。
(本気の異常だと1歳半までに病院にかかっていることが多いですが、1歳半のグレーゾーンは3歳4歳までに正常範囲に落ちつくことも多く、どちらに転ぶか分からないことが多々あります。)

※出産者が多い月や子供が多い市町村などでは、グレーゾーンを引っ掛けすぎると仕事がまわらなくなるため、「家でできてますぅ~」とかるーく押せばOKを貰えることもあります。
強く「出来ているから大丈夫です!!」と言うと、心象が悪いですし、親の心に余裕がない印象を与えるので、親が育児ストレス認定されてひっかかる場合もありますのでご注意下さい。

1歳半健診は行かなくて良い?

TV等で虐待死のニュースが頻繁に報道されるようになっている現在、検診に連れて行かないということは、虐待死しているかもしれない、不正に子ども手当を受給しているかもしれないというサインになります。
親が面倒だと思って連れて行かないだけであっても、市の職員と子供が会ってないんですから、生存確認が出来ていないですからね。
長期入院や旅行、海外生活をしている場合、体調不良で行けない場合などは、きちんと申告が必要です。既にかかりつけの病院があって、定期受診していても、検診は別物で、生存確認なんだと思って行ってください。
検診に来ない場合は、ハガキでの通達、保健センターからの電話、それを無視すれば、児童相談所への案件に回されたり、家まで訪問に来られたりします。
また、海外に居ると言えば、出国者リストで調べることが可能ですので、嘘はバレますよ。

1歳半検診に行こう

面倒と感じる人も多い1歳半検診。病気の発見以外のメリットを考えてみました。

他の子と比較できる

0歳~1歳代の成長は目まぐるしく、1,2ヶ月違うだけで、出来ることや体つきがかなり違ってきます。普段生活していて、全く同じ月齢の子が10人や20人以上集まることは無いのではないでしょうか。
1歳半検診では、同じ月齢の子がある程度の人数集まるので、自分の子の発達具合を他の子と比較することが出来ます。
「うちの子は歩くのは上手だけど、言葉は少ないかも」、など、うちの子はココができてるけど、ココはちょっと遅れてるということがとても分かりやすいと思います。

子供の新たな一面を見れる

家でさせたことがないことでも、保健師さんのマネをして出来ていたり、待ち時間に他の子と見つめ合ってみたり、ペコペコ挨拶?しあったり、家で見せたことのない一面が見れるかもしれません。

子供が成長する

同じ月齢の子たちが集まる場は、子供にとっても良い刺激になります。見て無いようで、他の子の事をしっかり観察していて、翌日から急に出来ることが増えた、言葉が増えた、ということもあります。