訳ありバウムとスイーツ界の闇【㈱イノウエと本窪田シェフ】

ワケありバウムを調査した結果スイーツ界の闇にせまってしまった私の話。

堂島ロールと堂島プレミアム界隈関係の相関図は?

↓とにかく堂島ロールの関係図が知りたい方はこちらの記事へ【画像あり】
【堂島プレミアムロールVS偽モンシュシュ】レシピを盗ったのはどっち?

訳ありバウムの出どころを調べてみたら…?

治一郎の訳ありバウムが美味しすぎたので、他にも有名店がこっそり訳あり商品を販売しているのでは…安く美味しいものを食べたい!と考えた結果、私は通販バウムクーヘンがどこのお店なのか調査をはじめました。
治一郎の訳ありバウムの記事は↓
アウトレットスイーツRENOに潜入!訳ありバウムはクラブハリエ?冶一郎?
バウムクーヘン調査一覧は↓
どこのお店?美味しい?不味い?通販の訳ありバウムクーヘン調査一覧

バウムクーヘンの原材料は意外とシンプル

バウムの材料は、小麦、砂糖、卵は必ず入っています。しかし、アーモンドプードルというアーモンドの粉や、しっとりさせるためのコーンスターチや寒天など、その他のものを入れるかどうかやその割合や着色料などは各社の腕の見せ所です。
そのため、特徴的な原材料が入っているとどのお店のものかすぐに割れてしまいます。
訳ありで店名が隠される場合、「麦芽糖→砂糖」「鶏卵→卵」のように全く同じ原材料表示にしないように配慮はされていますが…

2社の訳ありバウムの原材料がほぼ同じ?!

各社の訳ありバウムの原材料を比較した結果、ほぼ同じ原材料の商品が存在することに気づきました。
原材料:卵、小麦粉、砂糖、マーガリン、ショートニング、砂糖混合、ぶどう糖果糖液糖加糖練乳、水あめ、食用植物油脂、乳蛋白、膨張剤、香料、乳化剤、酒精、脂肪酸、安定剤(セルロース)、増粘剤(キサンタン)、着色料(アナトー、カロテン)、(原材料の一部に大豆(遺伝子組換え不分別)由来を含む)
原材料:、砂糖、小麦粉、ショートニング、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、マーガリン、加糖練乳、水あめ、食用植物油脂、乳蛋白、膨張剤、乳化剤、香料、酒精、脂肪酸、安定剤(セルロース)、増粘剤(キサンタン)、着色料(アナトー、カロテン)、(その他原材料に大豆を含む)
直径14.5cm、高さ3.5cm、重さ250g…ここまで一緒だと、99%くらい同じ工場でつくられている商品と考えて間違いないでしょう。

訳ありスイーツの出どころを調べてみた

気になったので、さらに調査してみました。
行列の出来る有名スイーツ店の訳ありバウム(以後、行列バウムと略)の販売元は株式会社イノウエと記載されています。
一方、天神橋デコバウムのHPをみてみると、公式サイト内の 天神橋デコバウムが安いワケというページで、
井上社長が経営されるケーキ工場を見学させていただくことになり、ネットで販売したいという自信作のバウムクーヘンを試食させていただきました
と記載があり、ケーキ工場の井上社長との出会いが詳しく書いてあります。
つまり、天神橋デコバウムは工場(イノウエ)から仕入れたバウムクーヘンを販売しているネット販売代理店のようなものであって、ケーキ会社ではないことが分かります。仕入先が㈱イノウエなんですね。

㈱イノウエはどんな会社?

この訳ありスイーツ製造工場の大元はどんな会社かというと、㈱堂島プレミアムのプレミアムロールを製造していた会社です(OEMかも)。
1982年創業のようで、工場は豊中市穂積にあり、洋生菓子や焼菓子の製造をしています。
また、工場併設の「Cake Factory SweetsGarage INOUE」とスーパーなどへの出店販売で、訳ありスイーツを販売しています。

堂島プレミアムのプレミアムロール≠堂島ロール

え、あの堂島ロールの販売元?!と思った方、勘違いです。

堂島ロールの人気にあやかる偽物たち?

3種の堂島ロールを名乗っても許されるであろうロールケーキをこちらの記事で紹介しましたが、㈱イノウエ(㈱堂島プレミアム)堂島珈琲堂島ロールとは全く関係のない会社なはずです。
H30年4月17日には、裁判によりプレミアムロールが類似商品と認められ、堂島プレミアム㈱に名称などの使用差し止めと計約3400万円の賠償が命じられました。

㈱イノウエの行列バウムはどこの訳あり?

「㈱堂島プレミアムのプレミアムロール(偽 堂島ロール)」が「魔法堂のスペシャルロール」や「クッチーナマジーアの贅沢ロール」(税抜き1000円程度)と改名して販売されていることから推測すると、㈱イノウエのワケありバウムは本窪田雅文シェフの贅沢バーム(税抜き500円程度)の訳ありのようです。
本窪田シェフはイタリアンの異端児ともよばれ、堂島界隈で「マジーアアルチェントロ(前クッチーナマジーア)」イタリア料理「sfida(スフィーダ)」、「北新地 海櫻 KAIOH」などを経営されています。江戸堀プリンも手がけています。
本窪田シェフのお店「magia al centro」はイタリア語で、「魔法の中心」、「cucina magia」は「魔法のキッチン」を意味しますから、㈱イノウエの「魔法堂のスペシャルロール」の中身はクッチーナマジーアの贅沢ロールと同じでしょうね。
贅沢バームはOEMではなく、本窪田シェフ監修で㈱イノウエが販売しているものです。
また、天神橋デコバウム(=イノウエのワケありバウム≒本窪田シェフ監修の贅沢バウム)デコバウムコンテストの審査員もしています。もともと自分で監修したバウムクーヘンですからね。

本窪田シェフはアンビエント堂島ホテル出身!!

本窪田シェフ、以前は、アンビエント堂島ホテル内でイタリアンのお店「ポテンツィリアーレ」、寿司とイタリアンを融合させた「海櫻 KAIOH」、ドルチェと子供服を販売する「レガーロ」などを経営されていました。
モンシェールにレシピを盗られた有田シェフも、本窪田シェフも、同時期に、元祖堂島ロールのアンビエント堂島ホテルで働いていたんですね。

堂島ロール問題はモンシェールVSアンビエント堂島?

堂島ロールをめぐる争いは、レシピを盗った金美香と金春香姉妹のモンシェール VS 旧アンビエント堂島(発案者の有田シェフ、本窪田シェフ)のようにも見えます。

行列の出来る有名スイーツ店とは?

さて、話を戻して、行列バウムのページを見てみると、直径14.5cm、高さ3.5cm。本来1個1000円と書いてあります。
しかし、本窪田シェフのマジーアアルチェントロではバウムクーヘンがランチのおまけスイーツ盛り合わせに入ることはあっても、売ってないようです。
そこで、もしや…と思って見てみたのですが、 「堂島ロール」考案者の有田逸朗シェフの「堂島プレミアムバームクーヘン」箱入り引き菓子は定価は1,080円です。原材料は全く違います。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
引き菓子プレミアム堂島バウムクーヘン
価格:1080円(税込、送料別) 
原材料:鶏卵、小麦、砂糖、ショートニング、マーガリン(植物油脂、発酵バター)、加糖練乳、水あめ混合異性化糖、麦芽糖、乳化剤、膨張剤、香料、着色料(カロテン)、(原材料の一部に大豆を含む)
販売会社:株式会社エヌエス
まさか、本窪田シェフは有田シェフにまで反旗を…と深読みしましたが、 モンシェールの堂島バームクーヘンも1080円なので、こちらを意識して1080円と記載しているようです。
行列が出来る有名スイーツ店(「モンシェール」)のバウムではないので、表記は嘘なのでは…と個人的には思います。
美味しければなんでもいいんですけどね。

余談と深読み(堂島珈琲とスイーツガレージ)

堂島ロールと全く関係がない堂島珈琲は2008年に設立された株式会社葉乃国から販売されています。 その代表取締役は井上健(イノウエ タケシ)氏。そのインタビュー記事が↓
新卒で入社した企業は3年で退職し、親類の会社へ転職しました。25歳から19年ほど勤めましたが、40歳の時に代表取締役となり、後に企業の一部を分社化して子会社を設立しました。それが今の「株式会社 葉乃國」です。
プレジデントナビ
この方、㈱イノウエのスイーツガレージ社長の親族ということなのでしょうか?
全く珍しくない名字なのですが、原材料を比較してみると…
「練乳ミルクバウム」鶏卵、砂糖、小麦粉、植物油脂、加糖練乳、マーガリン、バター、乳などを主原料とする食品、水あめ、洋酒植物性たん白、コラーゲンペプチド(ゼラチン)、トレハロース、加工でん粉、乳化剤、膨張剤、pH調整剤、香料(原材料の一部に大豆を含む)
原材料:卵、砂糖、小麦粉、ショートニング、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、マーガリン、加糖練乳、水あめ、食用植物油脂、乳蛋白、膨張剤、乳化剤、香料、酒精脂肪酸、安定剤(セルロース)、増粘剤(キサンタン)着色料(アナトー、カロテン)、(その他原材料に大豆を含む)
どちらもベースは同じですが、葉乃国のバウムはキサンタンガムや着色料など添加物を減らし、バターを加え、コラーゲンを入れたレシピに変化しているように思えます。(推測です)
スイーツガレージが多くの人が笑顔になれる大衆ケーキを目指しているのに対し、葉乃国は価格競争に参加せず、いいものを適正価格で販売することをモットーにしているので、その差ということなのでしょうか。

堂島珈琲、香典返しかなにかで頂きましたが普通に美味しいコーヒーです。
そして、本窪田シェフのお店にも伺ったことがありますが、繊細なお仕事をなさる方です。
堂島プレミアムで反旗を掲げるような感じは受けなかったのですが…
堂島ブランドにこだわっているように見える㈱イノウエはもともとホテルアンビエント堂島のロールケーキのOEMでもしていたのでは?とさらに深読みしてしまいました。

以上、訳ありスイーツを調査して気づいたネットの嘘とスイーツ界の闇でした。

私の食レポは
  • モンシェールのロールケーキ→美味しい
  • 堂島プレミアムのプレミアムロール≒魔法堂のスペシャルロール→価格の割に美味しい
  • 本窪田シェフの料理→美味しい
  • 堂島珈琲→ふつうに美味しい(頂きものなのでコスパ評価出来ません)
美味しくて幸せな気分になれればいいんです。でも嘘はいけません。