コラージュ療法は解釈、分析は不要?
前回もかきましたが 、試行錯誤してコラージュを作ること自体が自己治癒になるため、無理に分析や解釈をしなくてもOKです。
とは言っても、少し解釈や分析をして自分や作り手の心を覗き見してみたいですよね。
コラージュ療法の解釈、分析方法は?
コラージュ療法の解釈や分析で用いるのは主に2通りの空間図式です。私たちは無意識に、時に意識的に紙の上に素材を置いていますが、人がどのような意味合いのものをどの位置に置くのかは統計学的に証明されており、空間図式として定義されています。
grunwaldの空間象徴図式で解釈してみる
グリュンワルドの空間図式は、バウムテスト(どんな木を描くのかで心理状態を見るテスト)などに用いられるものです。この図式を見ながら下のコラージュ作品を解釈するとどうなるでしょうか。
過去がひとりぼっちで未来はみんなと一緒?!
なんだかわかりにくいですね。
それもそのはず、グリュンワルトの空間象徴図式は、中年期以降の統計なんです。
そのため、青年期よりも前の年代(乳幼児期や思春期)のコラージュ作品をグリュンワルト法で解釈しようとすると、しっくりこないことが多いのだとか。
乳幼児期から思春期の方は次の箱庭療法の空間図式を使って分析してみることをオススメします!
もちろん、中年期以降の方でこの図式でしっくりこないピュアな心をお持ちの方も箱庭方式を試してみてくださいね。
箱庭療法の空間図式で分析してみる
日本におけるコラージュ療法が、箱庭療法の簡易版として広まっていることを考えると、箱庭の分析の際に用いられる空間図式を用いるのは自然な流れのように思います。この箱庭療法の図式を見ながら先程のコラージュ作品を分析してみると、社会的、外的には友達と混ざって幼稚園生活しているけれど、内的にはちょと孤独だったり、一人の時間が欲しかったりするのかな~とか断然解釈しやすいです。
2足分のスリッパが左上から真ん中にかけて逆向きに貼られているのですが、この配置は、父性と自己の位置です。長女はお父さんっ子なので、非常に納得。 グレーがパパの、赤が長女のスリッパですよね。
作品の色合いで分析してみる
空間図式以外に、作品の色合いで分析、解釈を加えることも出来ます。全体的にモノトーンだったり、色鮮やかだったり…作品の色は気持ちを反映しますよね。
箱庭療法での色の解釈は下記のようになってます。ほんの一例ですがご参考まで。
- 赤→感情・情動
- 青→思考・冷静
- 緑→感覚・自然
- 黄→直感・希望
時系列で作品を比較し分析してみる
コラージュ療法を行い、作品が出来上がると、その作品の解釈だけに拘ってしまいそうですが、細々と解釈するよりも、少し期間をおいてもう一度制作を行う方が、分析に役立つことがあります。以前はいっぱい貼っていた素材がなんとなく違うな、と、思えたり、色合いや作風が変わってきたり…と、心の動きが見えやすいかもしれません。
言葉でうまく表現できないけれど、こんなものに最近興味があるんだな~という変化を感じ取れたらそれで充分分析です(*´▽`*)
以上、コラージュ療法のやり方とその効果・解釈・分析方法(全3回)でした。
自分の言葉で表現するのがまだまだ難しい乳幼児期や、ムズカシイお年頃の思春期、自分探しのたびに出ちゃいたい若者世代から早期退職に悩んでいる壮年期、老人ホームでの手作業としても◎
はさみの取り扱いだけには注意してコラージュ療法でヒーリング効果を享受して下さい★
基礎からコラージュ療法を学びたい方はコラージュ療法を考えだした先生の本を読んでみてもいいですが、小難しいので、気軽にやりたいだけなら必要ないと思います。