妊娠中、産後の骨盤ベルトに医学的な根拠なし

まずはじめに、きちんとお話しておきたいことは、トコちゃんベルトもワコール産前産後兼用骨盤ベルトにも医学的な根拠(エビデンス)はありません。
付けている人と付けていない人を比較して、お産が軽くなったとか、切迫早産にならずにすんだとか、生まれてから赤ちゃんがおとなしかったとか、そういったことの有意な差を示す医学的なデータは全くありませんので、購入される方は、そのことを知っておいてください。
はっきりとしたデータがなく、口コミや体験談だけが並ぶ、医療をうたっている商品、もしくは、データ研究のスポンサーが販売会社だけ(で金銭的に圧力をかけている)ものは(健康食品も含めて)たいがいアヤシイです。
ガンでも切迫早産でも恥骨痛でも、良い口コミに惹かれて藁をもつかむ思いで買ってしまう気持ちは理解できますが。
発達障害は遺伝子上の変化で起こるものが多いため、(喫煙や飲酒などを除いた)子宮内環境や胎勢で子供の将来が決まるということに根拠はありません。
逆に、受精時や細胞分裂時から発達障害などに関係する遺伝子を持っている胎児の胎勢が悪いと言われれば、可能性としてはあるかもしれません。遺伝子レベルなので治す方法はありませんし、ベルトでは対処不能ですが。。。
ワコール骨盤ベルト VS トコちゃんベルト
一応口コミをチェックしてみてください。
また、2種とも日本産婦人科学会公認のものでもなく、助産師学会公認らしいのですが、もともと助産師さんは、学生の際に、整形外科の専門的な授業が無いので、「骨盤の歪みが治る」などとそれらしいことを言っていますが、説得力は…
そのため、産科や産婦人科クリニック、個人の産婦人科医院でこれらのベルトを勧められることは無いと思います。
禁止の病院も多いのでご注意ください。
また、切迫早産で入院中なら、点滴を刺してる腕で締め上げるのは、点滴漏れを起きやすくするのでオススメしません。
売っている病院は、まぁ、骨盤ビジネスに乗っかってるんでしょうね。
サラシにも医学的な根拠はなし。高血圧の原因に!
ちなみに、サラシや腹帯にも医学的な根拠はなく、日本特有の習慣です。海外では巻きません。きつく巻くと血管を圧迫し、血の巡りが悪くなり、(血管が潰されて細くなるので、圧を上げて血を流そうとして血圧が上がり)妊娠高血圧症候群の原因となるので注意してください。
骨盤ベルトのようなお腹を圧迫しないタイプは妊娠中毒(妊娠高血圧症候群)の原因にはなりにくいハズです。
しかし、骨盤ベルトでも、強く巻くと両脚から血液が帰ってくる時に通る鼠径部を圧迫するので、むくみが悪化したり、陰部静脈瘤が悪化する可能性はあります。
妊婦の骨盤ベルトは何に効果がある?

妊娠中は、骨盤の関節や結合部分がゆるみ、出産の時に赤ちゃんが出やすいように身体が変化していきます。
関節や結合部分がゆるむと、痛みが出ることがあります。
今までぴったりくっついていた所がグラグラするので、痛むこともあるでしょう。
妊婦さんで痛みが出やすいのは、恥骨結合と仙腸関節部分です。
恥骨結合は、お股の前側、仙腸関節は、骨盤のおしり側、お尻の真ん中から腰にかけての辺り…と言えば分かりやすいでしょうか。
妊娠中の痛みには、痛み止め(NSAIDs)も湿布も使わないほうが良いと製薬会社側は注意書きしていますので、ここで、骨盤ベルトの出番です。
胎児や子宮の形には全く影響が無い(効果がない)骨盤ベルトですが、唯一、妊婦さんの仙腸関節の弛みから来る腰痛には効果があるように思います。
トコちゃんベルトもワコールの産前産後ベルトも、構造上、後ろ側を締め上げるようになっている(前側を締め上げられないつくり)ので、恥骨結合の痛みには、効果不十分だと思います。
実際に、妊娠7ヶ月からの私の恥骨痛は、トコベルでもワコールベルトでもやらないよりマシな気がする、という程度です。
妊婦さんの骨盤が緩むのは、赤ちゃんが生まれる時に通るスペースを広くするためです。
これを無理矢理締め上げて緩まないようにするのは、安産とは逆行しているようにも感じますが、骨盤ベルトを付けていても安産だったという口コミがあるので、骨盤ベルトを付けていても、身体の変化(骨盤の弛み)には無力ということでしょう。
結局、骨盤ベルトの役目は、ホルモンバランスが落ち着いて骨盤の弛みがなくなる時期まで、グラグラして痛まないように仮固定することですから、骨折の時のギプスやシーネのような補助と考えれば分かりやすいかと思います。
トコちゃんベルトとワコール産前産後ベルトの違い
では、腰痛のある妊婦さんが骨盤ベルトを買う時はワコール産前産後ベルトとトコちゃんベルトのうちどちらがオススメなのか、2商品の違いを書いていきたいと思います。お尻のベルトの数が違う

まず、目につくのが、形状の違いです。ワコールベルトはお尻に当たる部分が2本で、トコベルは1本です。
ワコールはお尻を包み込むように装着すれば、誰でも簡単に正しい位置に装着出来ます。
一方、トコベルは正しい位置へ付けれているのかが判断しにくく、産院などでしっかり指導してもらうか、ネット上で装着している画像を見て、それを真似する必要があります。
ベルトループの数が違う
トコベルはベルトループ(ベルト通し穴)が2ヶ所、ワコールは1ヶ所です。このため、トコベルのほうが左右対称を意識しやすく、左右均等に締め上げることが出来ます。
ベルトのきつさが違う

ワコールはお尻部分の2本のベルトのうち下の1本はゆるいゴムになっています。そのため、トコベルと比べて、締め上げてもややゆるい印象です。
長時間装着予定なら、ワコールの方が楽だと思います。
一方、しっかり締め上げたい方にはワコールだと物足りなさがあるかもしれません。
価格が違う
サイズによって価格差がありますが、ワコールの方がややお安くなっています。サイズが違う
ワコールはヒップが82cm~105cmまで対応しています。一方、トコベルは、70cm~120cmまで対応しています。色が違う
トコベルは薄ピンクと紺色、ワコールはブラックとショッキングピンクです。トコベルとワコール産前産後ベルトはどっちがオススメ?
ワコール産前産後ベルトがオススメな方
- 装着位置をきちんと合わせられるか不安な方
- 長時間使用する予定の方
- キツイ締め付けが苦手な方
- 少しでも安いほうがいい方
S H82~90cm
M H87~95cm
L H92~100cm
LL H97~105cm
トコちゃんベルトがオススメな方
- しっかり締め上げたい方
- 左右対称にこだわりたい方
- かなり細身もしくはかなり恰幅の良い方(ワコールだとサイズがない方)
トコちゃんベルト 2 (M) H80〜88cm
トコちゃんベルト 2 (L) H88〜100cm
トコちゃんベルト 2 (LL) H100〜120cm
骨盤ベルトのおまけの効果?!便秘が楽に?!
腰痛以外にあまり効果のない骨盤ベルトですが、下腹部を前から押さえてくれるので、便秘が楽になった!排便が出やすくなったという口コミもあります。お腹がだんだん大きくなると、お通じだけでも苦労すると思いますし、実際に使用してみて、確かに出やすい感じがするので、 試してみるのもいいかもしれませんね。