市販品で乳アレルギー経口減感作療法を1ヶ月した結果【乳製品のたんぱく質含有量】

市販品で乳アレルギーの経口急速減感作療法を1ヶ月間行いました

4歳長女の乳製品の経口減感作は3回目です。1回目は2歳半で、ほぼ無理で挫折しています。
長女は2歳半の時点で、自分が卵と牛乳が入ったものが食べれないと理解していますが、乳製品が入った市販のお菓子を買い与えないので、お菓子を見ても、乳成分が入っているかどうかの判断が出来ません
特に脱脂粉乳入りは少量でも牛乳に換算するとすごく多くなるのでアレルゲンの塊のようで怖いです。
幼稚園の春の遠足でお菓子交換なる恐ろしいイベントが待ち構えているので、死なないように春休み中に減感作することにしました。
前回の減感作(2回目)では、牛乳を混ぜた手作りパンを用いたので、市販品は初めてです。

市販品で1ヶ月間、乳アレルギーに対する減感作をした結果



経過日数 実施日 商品名 メーカー 乳タンパク(mg) 1回目 乳蛋白量 2回目 乳蛋白量 3回目 乳蛋白量 合計個数 乳タンパク合計(g) 1回の最大量
1日目 3月25日 アンナウエファー 森永 3.25g 20.3 1 0.0203 0 0 1 0.0203 0.0203
2日目 3月26日 うまい棒コーンポタージュ味 リスカ 6g 31 1 0.031 0 0 1 0.031 0.031
3日目 3月27日 ビスコ(クリームサンド) 江崎グリコ 4.12g 4.25 1 0.00425 0 0 1 0.00425 0.00425
4日目 3月28日 スナックスティック 山崎製パン 25g 75.9 1 0.0759 0 0 1 0.0759 0.0759
5日目 3月29日 ビスコ(クリームサンド) 江崎グリコ 4.12g 4.25 1 0.00425 1 0.00425 0 2 0.0085 0.00425
6日目 3月30日 じゃがりこサラダ カルビー 1.53g 13.6 1 0.0136 2 0.0272 4 0.0544 7 0.0952 0.0544
7日目 3月31日 じゃがりこサラダ カルビー 1.53g 13.6 5 0.068 5 0.068 0 10 0.136 0.068
8日目 4月1日 どうぶつビスケット 不明 20 20 0
9日目 4月2日 メロンパン 山崎製パン 115g 153 0.5 0.0765 0.5 0.0765 0 1 0.153 0.0765
10日目 4月3日 カレーパン 山崎製パン 114g 1.93 0.50 0.000965 0 0 0.5 0.000965 0.000965
11日目 4月4日 アンパンマンカップケーキ1/2個 不明 0 0
12日目 4月5日 薄皮つぶあんぱん 山崎製パン 50g 35.8 2 0.0716 2 0.0716 1 0.0358 5 0.179 0.0716
13日目 4月6日 アンパンマンカップケーキ2/3個 不明 0 0
14日目 4月7日 ビスコ(クリームサンド) 江崎グリコ 4.12g 4.25 2 0.0085 2 0.0085 0 4 0.017 0.0085
15日目 4月8日 チョコチップスナック 山崎製パン 25g 25.8 1 0.0258 1 0.0258 0 2 0.0516 0.0258
16日目 4月9日 チョコチップスナック 山崎製パン 25g 25.8 2 0.0516 2 0.0516 0 4 0.1032 0.0516
17日目 4月10日 アンパンマンカップケーキ1個 不明 0 0
18日目 4月11日 チョコチップスナック 山崎製パン 25g 25.8 2 0.0516 4 0.1032 0 6 0.1548 0.1032
19日目 4月12日 ヨーグレット 明治製菓 1.56g 6.3 6 0.0378 0 0 6 0.0378 0.0378 背中に掻き傷
20日目 4月13日 薄皮白あんぱん 山崎製パン 45g 33.6 2 0.0672 2 0.0672 1 0.0336 5 0.168 0.0672
21日目 4月14日 まるごとソーセージ 山崎製パン 118g 195 0.5 0.0975 0 0 0.5 0.0975 0.0975
22日目 4月15日 レーズンロール 山崎製パン 40g 33.6 2 0.0672 2 0.0672 0 4 0.1344 0.0672
23日目 4月16日 ハーフベーコン 日本ハム 6.6g 115 1 0.115 0 0 1 0.115 0.115
24日目 4月17日 北海道産小麦の黒糖入りロール 山崎製パン 41g 139 1 0.139 0 0 1 0.139 0.139
ダブルソフト 山崎製パン 68g 215 1 0.215 0 0 1 0.215 0.215
25日目 4月18日 北海道産小麦の黒糖入りロール 山崎製パン 41g 139 1 0.139 0 0 1 0.139 0.139 腰に掻き傷
26日目 4月19日 北海道産小麦の黒糖入りロール 山崎製パン 41g 139 1 0.139 0 0 1 0.139 0.139
ダブルソフト 山崎製パン 68g 215 1 0.215 0 0 1 0.215 0.215
27日目 4月20日 スナックスティック 山崎製パン 25g 75.9 2.75 0.208725 0 0 2.75 0.208725 0.208725
28日目 4月21日 スナックスティック 山崎製パン 25g 75.9 2 0.1518 0 0 2 0.1518 0.1518 腰に掻き傷
29日目 4月22日 スナックスティック 山崎製パン 25g 75.9 2 0.1518 2 0.1518 0 4 0.3036 0.1518
30日目 4月23日 薄皮ピーナッツパン 山崎製パン 40g 463 0.5 0.2315 0 0 0.5 0.2315 0.2315
  薄皮チョコパン 山崎製パン 43g 543 0 1 0.543 1 0.543 2 1.086 0.543
1ヶ月の減感作の結果、一回に摂取できた乳タンパク量は20.3mg→543g(26倍)になりました。

乳製品のタンパク質量目安一覧表

乳製品は、加熱してもそれほどアレルゲン性は下がりません。乳タンパクがアレルゲンなので、タンパク質量が多いほどアレルゲン性は高くなります。
栄養&カロリー計算サイトやWikiによるとタンパク量は低いもの順に下表になりました。
食品名 タンパク含有量目安(%) 牛乳1mlと同等量 牛乳10mlと同等量 牛乳100mlと同等量
無塩バター 0.5 6.60 66.00 660.00
有塩バター 0.6 5.50 55.00 550.00
シャーベット 0.9 3.67 36.67 366.67
乳酸菌飲料(乳製品) 1.1 3.00 30.00 300.00
乳飲料 フルーツ 1.2 2.75 27.50 275.00
乳酸菌飲料(殺菌乳製品) 1.5 2.20 22.00 220.00
ホイップクリーム(乳脂肪) 1.7 1.94 19.41 194.12
アイスクリーム(ラクトアイス・低脂肪) 1.8 1.83 18.33 183.33
生クリーム(乳脂肪) 2 1.65 16.50 165.00
乳飲料 コーヒー 2.2 1.50 15.00 150.00
コーヒーミルク(粉/植物性) 2.8 1.18 11.79 117.86
ヨーグルト(飲料) 2.9 1.14 11.38 113.79
アイスクリーム(ラクトアイス・普通脂肪) 3.1 1.06 10.65 106.45
普通牛乳 3.3 1.00 10.00 100.00
脱脂乳 3.4 0.97 9.71 97.06
アイスクリーム(アイスミルク) 3.4 0.97 9.71 97.06
加工乳 濃厚 3.5 0.94 9.43 94.29
アイスクリーム(高脂肪) 3.5 0.94 9.43 94.29
ヨーグルト(全脂/無糖) 3.6 0.92 9.17 91.67
加工乳 低脂肪 3.8 0.87 8.68 86.84
ソフトクリーム 3.8 0.87 8.68 86.84
アイスクリーム(普通脂肪) 3.9 0.85 8.46 84.62
コーヒーミルク(液/植物性) 4.3 0.77 7.67 76.74
ヨーグルト(脱脂/加糖) 4.3 0.77 7.67 76.74
コーヒーミルク(液/乳脂肪) 5.2 0.63 6.35 63.46
ホイップクリーム(植物性) 5.9 0.56 5.59 55.93
生クリーム(植物性) 6.8 0.49 4.85 48.53
コーヒーミルク(粉/乳脂肪) 7.7 0.43 4.29 42.86
加糖練乳 7.8 0.42 4.23 42.31
クリームチーズ 8.2 0.40 4.02 40.24
カッテージチーズ 13.3 0.25 2.48 24.81
カマンベールチーズ 19.1 0.17 1.73 17.28
プロセスチーズ 22.7 0.15 1.45 14.54
脱脂粉乳(粉) 34 0.10 0.97 9.71
パルメザンチーズ 44 0.08 0.75 7.50

計算上は、牛乳1mlが飲めれば、バターは5g以上使えますし、ヤクルトなどの乳酸菌飲料は3ml摂取可能となります。
逆に、チーズ類はほとんど食べれないと思ったほうが良さそうですね。

4歳児の減感作療法の実際とメリット・デメリット

体調や症状が言える

4歳の長女は「口の中にぶつぶつ出てきた」「あしにぶつぶつ(蕁麻疹)でてる」「くびがかゆい」「お腹が痛い」と、はっきりと体調や症状を教えてくれます。
症状を訴えられない1歳児のように体中を観察しつづける必要がなく、精神的にも楽です。
しかし、言い表せないけれどなんとなく体調が悪くぐずぐずしているということも多かったです。

オムツ替えが不要

経口減感作療法中は、おなかが痛くなったり、下したり、頻便になったりしますが、4歳児は勝手にトイレに行ってくれるので、オムツ替えがなく楽でした。また、アレルゲンの入っている便がおしりについて、お尻周りに蕁麻疹が出るということもなかったです。
しかし、トイレに行く回数は増えるので、お出かけなどは制限されます。

知恵がついているから食べ物を拒否する

1歳次女は、たとえ、それが身体に毒だったとしても、味がついていれば驚くほどよく食べてくれました。一方、4歳の長女は、「牛乳入ってる?卵入ってる?」「これはおなかが痛くなるからもう食べたくない」「苦い」「口に合わない」と、市販品を拒否し、予定量を食べ切らないことがあり、減感作はゆっくりとしか進みませんでした。

減感作療法に使ったもの

厚生労働省の市販加工食品中のタンパク量換算表

個人レベルで入手できるのはこのPDF表のみですが、アレルギー専門の科などにはver.2があるようです。

キッチンスケール

0.1gの誤差でもアレルギーをもつ子どもにとっては大きな違いがあります。
しっかり量れるデジタルキッチンスケールを使いました。
安くても無名のメーカーだと心配なので、TANITAや貝印などがオススメです。

腸内環境改善サプリ

アレルギー児たちは、肌に蕁麻疹が出るだけでなく、お腹の中でも腸が腫れたり出血したりしています。腸内環境を整えて、万全の体制で敵(摂取したアレルゲン)に立ち向かうことが出来るように、アレルギー科で薦められたラフィノース善玉菌をおまじないのように飲ませました。
ラフィノースは善玉菌の餌となる糖で、善玉菌が増えるのを助けるそうです。

保湿剤

アトピーの方たちが砂糖や油を減らすと肌が綺麗になるのと同様に、食物アレルギー児も、アレルゲンを食べないと、肌はすごく綺麗になります。
逆に、減感作療法中は、肌がカサカサになったり、荒れたりします。アレルゲンが肌につくと、その部分が腫れたり、肌から感作され、アレルギー反応が強くなる可能性もあるので、口周り、顔周りはアレルゲンが肌につきにくいようにしっかりと保湿し、食後は丁寧に(こすらないように)拭き取りしました。
1歳児の保湿剤は、よだれをはじくワセリンを使いましたが、4歳児はベタベタを嫌がったため、保湿クリームを使いました。

これから減感作療法をする方の参考になれば(*^^*)