小麦減感作療法1ヶ月間の実体験と数値結果【小麦アレルギー/市販品換算表】

自宅で1歳4ヶ月児に小麦の減感作療法を行いました。
7ヶ月時点で、5mm×5mmの食パンで体中蕁麻疹が出て呼吸困難に陥った小麦アレルギーの次女…
10ヶ月時点で小麦クラス4(112)大豆クラス3、卵白クラス2です。
今回の減感作療法は2回目で、1回目の減感作では、醤油などの調味料に含まれる微量の小麦でアレルギー反応が出ないかを10日間かけて少量の味付けから試しています。

2回めとなる今回の減感作は、ほぼ片栗粉で出来ている西村のエイセイボーロで開始することにしました。
通常の減感作療法のやり方は、病院で摂取可能な最大量を入院などで検査したあと、その1/10程度の量から、家で、2週間で倍量もしくは1ヶ月スパンで倍量なのですが、我が家は最大量を知るための入院をしなかったので、 非常に少量からスタートしています。

小麦減感作療法1ヶ月間の摂取可能数値の変化

土日や予定が入っている日などは休みつつ、減感作療法を1ヶ月継続した結果は下の表のようになりました。

経過日数 実施日 商品名 1個の重さ 小麦タンパク(mg/個) 1回目個数 小麦タンパク量 2回目個数 小麦タンパク量 3回目個数 小麦タンパク量 合計個数 小麦タンパク合計(g) 1回の最大量
1日目 3月25日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 1 0.00154 1 0.00154 0.00154
2日目 3月26日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 2 0.00308 2 0.00308 0.00308
3日目 3月27日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 3 0.00462 3 0.00462 0.00462
4日目 3月28日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 4 0.00616 4 0.00616 0.00616
5日目 3月29日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 5 0.0077 5 0.0077 0.0077
6日目 3月30日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 0 0 0 0
7日目 3月31日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 6 0.00924 6 0.00924 0.00924
8日目 4月1日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 7 0.01078 7 0.01078 0.01078
9日目 4月2日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 8 0.01232 8 0.01232 0.01232
10日目 4月3日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 10 0.0154 10 0.0154 0.0154
11日目 4月4日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 12 0.01848 12 0.01848 0.01848
12日目 4月5日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 16 0.02464 16 0.02464 0.02464
13日目 4月6日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 18 0.02772 18 0.02772 0.02772
14日目 4月7日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 20 0.0308 30 0.0462 2 0.00308 52 0.08008 0.0462 30コで目が赤く
15日目 4月8日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 0 0 0 0 0
16日目 4月9日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 0 0 0 0 0
17日目 4月10日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 0 0 0 0 0
18日目 4月11日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 20 0.0308 30 0.0462 50 0.077 0.0462
19日目 4月12日 西村のエイセイボーロ 0.57g 1.54 30 0.0462 40 0.0616 70 0.1078 0.0616
20日目 4月13日 プリッツロースト 61.3 1 0.0613 0 1 0.0613 0.0613
21日目 4月14日 プリッツロースト 61.3 2 0.1226 0 2 0.1226 0.1226 顔がカサカサに
22日目 4月15日 0 0 0 0 0
23日目 4月16日 西村のエイセイボーロ 1.54 20 0.0308 0 20 0.0308 0.0308
24日目 4月17日 プリッツロースト 61.3 2.5 0.15325 0 2.5 0.15325 0.15325
24日目 4月17日 ビスコ(クリーム) 4.12g 181 0 1 0.181 1 0.181 0.181
25日目 4月18日 ビスコ(いちご) 4.12g 170 1 0.17 1 0.17 2 0.34 4 0.68 0.34 1時間半後に排便 背中に発疹1個
26日目 4月19日 アンナウエファー 3.25g 188 1.25 0.235 0 0 1.25 0.235 0.235
26日目 4月19日 ビスコ 4.12g 181 0 1.5 0.2715 0 1.5 0.2715 0.2715 目やに
27日目 4月20日 ビスコ(いちご) 4.12g 170 2 0.34 0 4 0.68 6 1.02 0.68 目が充血? 2回目2時間後から蕁麻疹、腕、首、8個程度→下痢9時間後まで
27日目 4月20日 プリッツサラダ 61.3 0 0 0 7 0.4291 7 0.4291 0.4291
28日目 4月21日 プリッツサラダ 61.3 10 0.613 0 0 10 0.613 0.613
28日目 4月21日 うどん 1g 30 4 0.12 4 0.12 10 0.3 18 0.54 0.3
29日目 4月22日 ダブルソフト 68g 5986 0.05 0.2993 0.1 0.5986 0.2 1.1972 0.35 2.0951 1.1972
30日目 4月23日 ダブルソフト 68g 5986 0.2 1.1972 0.2 1.1972 0.3 1.7958 0.7 4.1902 1.7958
31日目 4月24日 ダブルソフト 68g 5986 0.2500 1.4965 0.25 1.4965 0 0.5 2.993 1.4965
31日目 4月24日 薄皮ピーナッツパン 40g 1631 1.0000 1.631 0 1 1.631 1.631
経過日数 実施日 商品名 1個の重さ 小麦タンパク(mg/個) 1回目個数 小麦タンパク量 2回目個数 小麦タンパク量 3回目個数 小麦タンパク量 合計個数 小麦タンパク合計(g) 1回の最大量
20日目で前回大麦ごはんで蕁麻疹が出て病院に行った量を超え、31日間減感作療法を行った結果、1回に摂取可能な小麦タンパク量は0.00154g → 1.7958g ( 1166倍 )になりました。
山崎製パンのダブルソフトを0.25枚(1/4枚)食べれるようになったのには驚きました。

実際に症状が出始めたのは14日目の小麦タンパク量46mgからなので、そのあたりが娘の限界値だったのだと思います。
なので、実際に検査してから始めたら、18日間で、46mg→1795mg(39倍) の増量になっていたかもしれません。
それでも超急速経口減感作してしまったことになりますが…

1歳児の減感作療法の実際とメリット・デメリット

知恵がついていないからラク

上の子に卵の減感作をしたのは2歳半過ぎていたので、知恵の付いた2歳児は「たまごボーロを食べたら痒くなるから、もういらない」とはっきり宣言し、たまごボーロを拒否しました。
一方、普段薄味の食事しか与えていない1歳の下の子は、味がついていれば驚くほどよく食べてくれます。たとえ、それが身体に毒だったとしても。
塩分無添加のうどんは拒否したものの、小麦の入ったおやつや甘いパンは疑いもせずガツガツ食べてくれ、予定通りの量を毎回食べきることが出来ました。

話せないから体調がわからない

逆に困ったのが、体調や症状。2歳半の上の子は「口の中にぶつぶつ出てきた」「あしにぽっちん(蕁麻疹)でてる」「くびがかゆい」「お腹が痛い」と、はっきりと体調や症状を教えてくれました。しかし、ほぼ会話にならない1歳児の減感作療法では、親が見張っていて気づくしか方法がありません。毎日なんとなくグズグズで、気付いたらちょこっと蕁麻疹が出ていたり、目の周りをこすっていたり…症状が出るまで3時間以上かかることもあり、見張るのに疲れました。お腹の調子が悪いためか夜泣きも増えました。

オムツ替えが頻回

2歳半の上の子の時は、「おなかいたい、トイレ行ってくる」と勝手にトイレに行ってくれたのですが、1歳児はそうはいきません。慣れるまで、食べてから数分以内におならをし、30分以内に下すように排便してました。なので、1日3回アレルゲン負荷を行うと、3回以上排便しました。
そして、気付かずにおむつを変えるのが遅れると、アレルゲンたっぷりのうんちがお尻にくっついてお尻周りに蕁麻疹が出たりただれたりしますので気が抜けませんでした。
小麦タンパク量が増えていくと、腸が慣れてきたのか、パンのせいなのか、おならのみが出るだけで、排便は1日2回ほどに落ち着きました。

減感作療法に使ったもの

厚生労働省の市販加工食品中のタンパク量換算表

個人レベルで入手できるのはこのPDF表のみですが、アレルギー専門の科などにはver.2があるようです。

キッチンスケール

0.1gの誤差でもアレルギーをもつ子どもにとっては大きな違いがあります。0.01gまでしっかり量れるデジタルキッチンスケールを使いました。

腸内環境改善サプリ

アレルギー児たちは、肌に蕁麻疹が出るだけでなく、お腹の中でも腸が腫れたり出血したりしています。腸内環境を整えて、万全の体制で敵(摂取したアレルゲン)に立ち向かうことが出来るように、アレルギー科で薦められたラフィノースと善玉菌をおまじないのように飲ませました。
ラフィノースは善玉菌の餌となる糖で、善玉菌が増えるのを助けるそうです。

保湿剤

アトピーの方たちが砂糖や油を減らすと肌が綺麗になるのと同様に、食物アレルギー児も、アレルゲンを食べないと、肌はすごく綺麗になります。
逆に、減感作療法中は、肌がカサカサになったり、荒れたりします。アレルゲンが肌につくと、その部分が腫れたり、肌から感作され、アレルギー反応が強くなる可能性もあるので、口周り、顔周りはアレルゲンが肌につきにくいようにしっかりと保湿し、食後は丁寧に(こすらないように)拭き取りしました。
保湿剤は、よだれをはじいてくれるワセリンがうちには合ってました。

これから減感作療法をする方の参考になれば(*^^*)